革、レザーという表記についてJISで規定された

革靴を買ったら、こんなチラシが入っていた。

少し前に?
革を使うな、革は動物虐待だ、という論点で革に対するネガキャンがあったようだ。

一部のハイブランドでは、皮を取るためだけに動物を飼育している、という話は聞いたことがあるけど、本当なのかよくわからない。
皮革業界の人から聞いた話では、通常に流通している革は、ほぼ、食肉加工の段階で出た副産物であるから、そのままでは廃棄になってしまうものを使っているわけで、革はむしろエコなんだ、ということだった。
(爬虫類に関しては、確か革を取るために養殖している)

ただ皮を鞣(なめ)す段階で薬品を使ったりするので、その処理によっては環境汚染になる。
そこで出てきた認証が「エコレザー」なわけだけど、なぜか「エコレザー」ってケミカルな印象というか、むしろ合皮っぽい印象を抱いてしまうのは私だけだろうか。
エコレザーは、環境に配慮した過程で製造された革を指す。

昨今、アップルレザー、ベジタブルレザーなんてものをネットで見かけて、なんだかよりナチュラルっぽくてよさげな素材?と思って調べたら、なんのことはない、リンゴの搾りかすを樹脂と混ぜて作った合皮だった。
確かにヴィーガンなのかもしれないが、これは取り立ててエコなものではないよね。

革を製品にするときに、どうしても薄さを調節しなくてはいけなくて、裏面を削り落とすんだけど、この削り落とされた部分(床革という)てほぼ使い道がなく、革を製品化するところに関わってみると「床革、もったいないな」と思う。

床革だけでは強度が弱すぎるので、通常の製品には使えないのだが(それを使っている製品もたまにあって、それはそれで問題になっている)その床革を粉砕して再度固めてシートにする、という試みがされている、と何かの記事で読んだ気がする。
それは確かに、素材を余すところなく使う、という意味では良いのだろうが、何で固めるか、と言ったら当然樹脂なわけで、いや、どうなん?となる。

でも、そもそも通常の革も、表面を塗装しているものがほとんどなのだ。
よくあるエナメル革なんかもそう。
今回のJIS規格では「表面の塗装が0.15mm以下のものを革・レザーという」としているようだ。こうなると塗装の専門の話になるので私はさっぱりだけれど、エナメルなどは引っかかってこないのだろうか?

革は天然のものから作られているけれども、大量生産にあたっては化学物質なしでは成り立たなくなっている。
鞣しもそうだし、染色だって、自然の物だけではきれいにはできない。
でも、少しでも環境にやさしく仕上げてほしいなぁ、というのは、消費者としての願い。

害だと感じるものをゼロにするのはほんとうに難しいけど、ある程度は調べないとダメだね。

ちなみに今調べたら、「アップルレザー」といっていたものは「アップルスキン」という表記になっていました。
ちゃんと対応していますね。でも、根本的に変わってない気もするが・・・

↓画像のチラシに関する情報
https://www.kawa-ichi.jp/about/notation.html

以上、初級レザーソムリエによる、革雑談でした。

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